先日着工したIN01、岩井沢工務所さんがブログに書いてくれた。
懐かしい写真が並んでいる。
栗、赤松、落葉松、杉、みんな岩手の山にはたくさんある、
財産のような木である。
槐、栓、桜、楓などの広葉樹も立派にそびえていて、
ほんとうに岩手の山は木の宝庫なのだと思った。
山で見る植物としての木の姿を立木(たちき)と呼んだりする。
これを伐り倒し、枝を払って丸太とする。
丸太の皮を平行に2面だけ切り落とすのを「太鼓落とし」と
呼んだりするが、またはかつら剥きのように樹皮を剥いて
建材として乾燥させる。
丸太だった木を建材として使えるように角材にするまでに、
乾燥させて内部の水分を減らしておかないと、乾く過程で
木が曲がったり、反ったり、ねじれたりする。
これを「暴れ」と呼んだりするが、樹種によってその暴れの
具合はまるで違うのである。
角材が届いて、大工さんが加工場で、柱、梁、土台などの
建材として、それぞれに必要な加工を施していく。
先述の暴れ具合を見て、文字通りの適材適所に振り分ける。
たくさんの方の手を通してようやく建物になることを、
あらためて目の当たりにさせてもらった。
工具は電動でも、人の手でやっとこさ形にしている、
というのがひしひしと伝わってくる。
本当にやっとこさ、という感じなのだ。
発注すれば現場に届く、という物だけで作っていると、
次第に薄れていく実感なのである。
夏が来る頃に、この家は完成する。