午前十時の愉しみ

午前十時の映画祭というイベントがある。
今年4月からの1年間、第十回で終わるそうだ。

午前十時の映画祭10ウェブサイト

(このバナーは第一回のときのもの。当時はSNSが
今のように活発でなく、個人のブログやウェブサイトに
こういう公式バナーを貼って広報したのだった。懐かしい…)


始まったのは2010年。
50本の名作映画を週替わりで1年間上映する企画。
当時はTOHO系の映画館20ヵ所ぐらいだけだった。

ビデオ(DVDではない、VHSだ)でしか見たことのない
名作が何十本も、スクリーンで見られたのである。
最初に見たのはライムライトだったが、
ストーリーよりもスクリーンで見たことに感動して、
見終えてちょっと泣いた。

ショウほど素敵な商売はない、ローマの休日、
スタンド・バイ・ミー、雨に唄えば、太陽がいっぱい、
羊たちの沈黙、パピヨン、ブリット、大脱走、
ゴッドファーザー、第三の男、アマデウスなどなど…

第一回の上映作品は、25作は見た。

その後は公開劇場も激増して、
1年間の作品数は減った代わりに2週間公開する
作品が増えたりして、毎年続いてきた。

第二回映画祭以後は、見られてもせいぜい
年に2、3本程度だったが、都合が合えば見に行った。

古い海外の映画など、放映権の交渉だけでも
大変なことだったのではないか。
上記の第十回映画祭のサイトの、よくある質問を読むと
企画運営の苦労がよくわかる。

それでも10年も続けてくれたおかげで、僕のような
若造の映画ファンも、封切り当時のような気持ちで
名作に触れ、また映画が好きになった。
ただの観客に過ぎないが、感謝と敬意は尽きない。

第十回の作品ラインナップも、ドの付く定番、
名作中の名作ばかりだ。

今年は多少の無理をしても、時間を空けて
見に行きたいと思った。