フルーツ王国

先日まで我が家はフルーツ王国であった。
桃と梨がひと箱ぶん、あった。
王国は言い過ぎでも、幸せな季節である。

果物が大好きである。
頂点には桃が君臨し、林檎、梨、葡萄、
蜜柑はじめ柑橘類、西瓜、苺、
ほとんどの果物が好きである。
パパイヤとかドリアンなどの渡来物は若干厳しいが、
渡来物でもバナナやパイナップルやキウイ、メロンもイケる。
種のあるものも、皮を剥くものも面倒とは思わない。
巨峰も八朔も、石榴も枇杷も好きである。

若い頃は、好物を聞かれると「鶏の唐揚げ」と答えていた。
肉なら鶏>豚>牛の順、鶏の中でもささみが好き、
という脂っ気のない嗜好で、ついでに言うと
ほんのすこし牛肉アレルギーがある。
何年か前の血液検査で判明してびっくりした。

いまでは脂っ気がさらに減ったらしく、
即答で肉料理とは言いづらくなってきた。
それで、自分はなにが好きなのだろうと考えた結果、
子供の頃から変わらずに好きなのは
果物であると気づいた次第であった。

他には豆が好きである。
黒豆や大豆は言うに及ばず、金時豆、うずら豆、
花豆とかお多福豆など甘く煮た豆で白飯が食える。
賛同されたことはない。

それと、ナッツ類。
あればあるだけ食べてしまうぐらい好きなので、
翌日とかにてきめんに面疔が出来る。
面疔は、鼻の頭など顔の中心部に出来る
デカいニキビのことで、腫らすとひどく痛むのである。
四十歳にもなって鼻が赤いと、十中八九は
酔っ払いとしか思ってもらえないので恥ずかしく、
ナッツ類はもうずいぶん長いこと控えている。

フルーツ、マメ、ナッツを好む生き物。
まるっきりニホンザルのようである。
近年はヒトの生活圏との摩擦も増えて
いろいろな問題になっているが、
先祖帰りと思えば悪い気もしない。

著名な心理学者・河合隼雄さん(故人)の兄で、
霊長類研究のパイオニア、
河合雅雄さんが5月に亡くなっていたことを最近知った。
宮崎県・幸島のサルが、海水でイモを洗って食べる方法を
世代を超えて伝えているのを発見して、
動物にも文化がある、と証明した人である。

宮崎県季刊誌「Jaja」より

後追いで訃報に触れてつらつらと
上に書いたようなことを思ったのだが、
なんだか悪い気はしない。

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