10月のなかば、八幡平を越えて秋田方面へ。
とっくに紅葉は終わっていて、常緑だけが残っていた。
毎年、紅葉を見に行こうと思いつくのはそういう時期である。
来年こそは、と、来年も思うのだろうか。
翌週は岩泉へ。
道中の山の景色は、まだいくぶんか色が残っていた。
馬もいた。
11月に入ってから行った安比で、ようやく真っ赤に燃える
紅葉を見る。
もちろん山峡のほうは終わっていたが、
人家のあるあたりでこういう街路樹があった。
ようやく、秋を実感した。
子供の頃から、花の盛りより紅葉が好きだった。
今でも、住宅の設計とともに庭を考えるとき、
花の咲く木よりも楓を選びたくなる。
夏に向かって温かくなりゆくときよりも、
これから寒くなるときのほうが、
同じ気温でも好ましい。
理由はずっとわからない。
苔むした石があった。
変哲もないし、写真もありきたりだが、
こういうのも好きである。
なにか物寂しい空気を好ましく思うのかも知れない。
秋の景色を今年もなんとか目にして、
これから冬。
芒の穂が光っていた。